> 2005/04/21 (木) 16:54:39 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> ニンテンドックス買ってきたヽ(´ー`)ノ名前何にしよう?
それは私が7~8歳頃のことで、当時私は日暮里に住んでいたが、向かいの家の
残飯をたべては野良犬暮らしをしているクロという愛きょうのある犬がいた。
「愛きょうのある」と言ったのは、私の顔を見ると必ず尻尾をふるからであった。
それは私が小学校から帰ると、おやつを手にしていつもその犬に分け与えて
いたからであろう。腰ごと大ぎょうに尻尾をふるクロは野良犬ながら喜色を満面に
たたえて、私を喜ばせた。ところがあるとき私からせんべいのかけらを貰って
ご満悦なはずのクロが、急に尻尾を股の間に巻きいれて、へたり込んでしまったのだ。
「クロどうしたの?」と尋ねる私に、ただ恐怖にうなだれ悲しむ目には、圧倒的な
不可抵抗力のようなものが働いていたようだ。瞬間、気がついたのだが、はるか
かなた20メートルほど先に、目つき、風体ともよくない作業着をきた男がじりじりと
近寄ってくる。手には竹の棒先に針金を丸くくくりつけたものをもっている。
「犬殺し???...」と思う間もなく、その男はクロににじりよって、いとも簡単に首に
針金の輪っかを掛け、ずるずると力まかせにたぐりよせ、はるか前方の荷車へと
引きずってゆく。わたしはどうすることもできずあっけにとられていたが、もっと
可哀想なのは耳をうなだれ、声もたてず、ただ引きずられてゆくクロであった。
あの犬殺しの妖気の前には、野良犬クロにはなすすべもなかったのだ。そして
それは私とて同じである。常識的には敵意をもつものが現れれば一目散に
逃げればよいのに、妖気に当てられたのであろう。
参考:2005/04/21(木)16時49分11秒