──もはや真の日本は帝国軍しかない。 この屯所の策外は侵略者のものである。 北海道、九州のように、国土が奪われたからではない。人の心が奪われたからである! 国民精神を奪われたからである! そして今、最後の日本までもが潰え去ろうとしている。 このまま座視すれば安保条約が締結されることは、既に疑う余地もない。 かの文書が大帝の御前にうやうやしく提出されるとき、飛び掛って引き裂く官僚一人、皇居の門外で 腹を切る将軍一人、いはしなかったのだ! 帝国軍は合衆国の傭兵に成り下がる。 大東亜戦争を戦いきった日本武士は滅びるのだ! 諸君は士魂の勝利を忘れたのか!? 欧米人が嘲笑して言うように、諸君もまたあの戦いを「愚かしい抵抗」との言葉でしか語れなくなったのか!? それでも武士かァ! 諸君は武士だろう! 諸君は武士だろう!