つきみ。......そばで」。 この男こそ、後に《月見の銀二》と呼ばれる伝説の立喰師であった。 銀二は、先に卵を割り入れさせると、上から出汁を注がせた。 黄色い月の周りに薄い雲がかかる。 「いい景色だ......」