>  2006/04/07 (金) 18:58:49        [qwerty]
> > 今ニュースで一瞬流れたんだけど割り箸事件というのは
> > ケツで割り箸を折ったらケツに刺さったんで割り箸メーカーを訴えたって事件なのかな?
> 「何したんや!?」 
> 「何してませんよー」 
>  ちよちゃんは答えた。 
> 「技ですよー」 
> 「技やて!?」 
> 「技術ですよー」 
> 「な、な──」 
>  大阪は、言葉にできない声をあげた。 
> 「何がおこったか大阪さんにはわかりづらいと思いますけど、これは神秘な力でもなんでもないんですよ」 
> 「──」 
> 「これは技術です」 
> 「技術やて?」 
>  大阪は、歯を噛みながら、割れた割り箸を見つめていた。 
>  息をするのさえ、忘れてしまいそうであった。 
>  割れるのか。 
>  そう思う。 
>  ただの割り箸が、ここまできれいに割れるのか。 
>  できるのか。 
>  やれるのか。 
>  やれるのだと、ちよちゃんの笑みが言う。 
>  できるのだと、手にした割り箸が叫んでいる。 
>  さっきの自分の割り方などとは、根本的に違う。 
>  研ぎ澄まされた日本刀で、何もかも根こそぎ断ち切るような割り方。 
>  大阪は、それを見ていた。 
>  膝が、がくがくと震えていた。 
>  何か、凄まじいものが、背を駆け抜けている。背を駆け登ってゆく。 
>  駆け登って、脳天に突き抜ける。 
>  駆け登っても、駆け登っても、突き抜けても突き抜けても、まだ終わらない。まだ足らない。 
>  自分の背の底に、何か巨大な力の塊が、無尽蔵にあって、それが次から次に背を駆け登ってゆくようだった。 
>  震えるな。 
>  震えるな。 
>  身体の震えを、止めようとしても止めようとしても、止まらない。 
> なんという。 
>  なんという。 
>  まったく、なんというものを見たのか。 
>  なんという割り方なのか。 
>  今、眼の前に見たばかりのとてつもない光景。 
>  それは、自分は、本当に見たのか。 
>  大阪は、震える足を、前に踏み出した。 
>  ちよちゃんに向かって。 
> 「どうしたんですか?」 
>  ちよちゃんが言った時、ようやく、大阪が口を開いた。 
> 「あたしに・・・・・・」 
>  大坂は、やっと言った。 
> 「あたしに、割り箸の割り方を教えてくれへんか──」 


参考:2006/04/07(金)18時54分27秒