・今回の海洋調査問題は、竹島の領有権や過去の歴史認識をめぐる日韓の対立が 東アジアの不安定要因であることを国際社会に印象づけた。特に日本政府は東シナ海の ガス田開発や靖国神社問題で中国とも激しい非難の応酬を繰り広げ、米国や東南アジア 諸国から懸念の目を向けられている。その中で、友好国だったはずの韓国との関係を 「衝突」寸前まで悪化させたことは、東アジアのリーダーを名乗る資格を疑わせかねない。 「米国から圧力がかかった。このことは首相官邸にも伝わっている」 谷内正太郎外務事務次官のソウル派遣が決まった20日、政府筋はこう語り、米政府が 日韓対立への懸念を非公式に伝えてきたことを認めた。東アジアは中国の台頭と北朝鮮の 核開発という不安定要因を抱えており、「米国の同盟国同士でけんかするのはまかり ならぬということだ」と別の政府関係者は分析する。