「家族」 中山田小学校 三年 村上猛 この間の水曜日 父さんの戦死の知らせがきた。 父さんが出征する前の晩 ぼくと父さんは、二人で風呂に入った。 イタズラしてしかられたこと。 ケンカで負けてくやしかったこと。 ぼくは話を聞きながらなみだがあとからあとから出た。 父さんに気づかれたら、おこられると思ったけど 父さんはおこらないで、ぼくに言った。 「父さんは、おまえがいるから安心して戦地にいける。猛、父さんの子に生まれてくれて本当にありがとう。」 ぼくには幸子という妹がいる。幸せになってほしいから幸子だ。 その下に小さい弟が二人いる。それと、おじいちゃんとおばあちゃんと、お母さんと。 父さんがいなくなって、ぼくを入れて七人家族だ。 ぼくは九さいでまだ子供だけれど、長男なので もう、泣いてるひまはなくなった。 みんながぼくをたよりにしているからだ。 これからは、ぼくが 妹と家族を守っていく。