やがてパーザンは考え込んだ挙句、村一番の知識を持つ千兵衛博士の研究室を訪ねた 「わたしにもうすぐ『死』がやってくるのだ」パーザンは小さいが、凛とし た声でいった。「そのことを、あなたに伝えたくてここまでやってきた」 博士はパジャマの裾から出ている脛をぼりぼりかき、それから曲がったナイ トキャップを真っ直ぐにした。そして、こんな夜中に冗談をいいにきたのか とパーザンの顔を覗きこんだ。 「しかし、どうしてもわからないことがある」パーザンは憂鬱そうな声でい った。 「『死』とはなんだろう。それがどういうことをさしているのかわからない のだ」