2006/05/22 (月) 02:49:26 ◆ ▼ ◇ [qwerty]「もうすぐ東京かしら。
やっぱり物足りないわね」
「確かにね。でも着く前に疲れなくて良いじゃない」
「ま、東京見物出来る時間が増えたから良いか。
今日はどんなところを案内してくれるの?」
「そう焦らないの。
まずは実家に着いてから彼岸の墓参りを済ませて、
荷物を置いてから見学に行きましょう?」
「あれ?冥界参りに行くんだっけ?」
「東京は、京都に負けず劣らずの霊都だから、きっと楽しいわ。
メリーと一緒なら。」
アスファルトで固められた地霊の罪も時効を迎え、東京の道のそこら中にひびが入っていた。
環状線も一部が草原と化し、葉っぱもなく、茎と赤い花弁だけの奇妙な花が道を覆いつつある。
人口の減少と共に、自動車という前時代的な乗り物も減っていた。道がどうなろうと不便な事
は無かったのだ。
派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。
町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。
東京は昔の姿を取り戻しつつある。
「富士が小さくなっていくわ。もう東京は目の前ね」
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