「そこをどいてくれよ!」 「いやだ、と言ったら?もちろんお前にはそんなことを言う勇気もねえだろうけどよ」 いちいち人の感情を逆なでするのが左の少年の趣味だ。この類の少年はいつの時代にでもいるものなのか? それとも、僕がただ単に不幸な少年であっただけなのか? 「……嫌……だ」 一瞬だけ場が凍りついた。 今まで自分が従ってきたことを思うと自分でもこの言葉には驚いた。 だが、取り返しのつかないことをしでかしたと思った。 「今なんて?」 「嫌だ!!!!」 ここまではっきり言われて怒らない子供はこの三人の中にはいなかったらしい。手を僕に向けている。鬼霊を使うようにだ。 「その生意気な態度を直すように俺達が炎で制裁を加えてやろうじゃないか」 三人組み少年の一人が、左手を握り締め。念じている。 すると、左手に炎の球ができあがった。とても小さいが。それでも何の防御もしなければそれなりに痛いことは頷ける。 それを見て自分の顔が青ざめていくのを感じた。血が引いていく。 「これでもくらいな」その火の球を僕に投げつけた。