2006/05/31 (水) 04:11:39        [qwerty]
ヘタレが異性の好意を被る物語は、説得性にかける。しかし、もしその相手が
メイドや妹であるならば、好意を買っても不思議ではあるまい。ヘタレが鑑賞
者の多くを占めるギャルゲーとその周縁の物語において、妹・メイド人格が多
用されている現状は、“ヘタレらぶらぶ”状況の納得ある成立が、求められて
きたことの帰結である。

では、これらの人格以外に、ヘタレが熱狂的な愛を受けても不思議はない対象
はいないのだろうか。我々はそれを、この物語に発見した。白痴である。

睡眠中のほとんど他人の人間にまたがり強制起床を試みる少女は、白痴である。
たい焼きを食い逃げし、奇声を発しながら他人をファーストフード店に連れ込
む少女は、白痴である。ヘタレ鑑賞者が、彼女たちに愛されても、物語の実存
性は失われないだろう。なぜなら、(救いのないことに)彼女たちは普通では
ないからである。