その男、羽生丈二。伝説の単独登攀者にして、 死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。羽生が目指しているのは、 前人未到のエヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂だった。 生物の生存を許さぬ8000メートルを越える高所での吐息も凍る登攀が開始される。 人はなぜ、山に攀るのか?永遠のテーマに、いま答えが提示される。