2006/06/12 (月) 01:57:26        [qwerty]
ジョブズによる福音書

 初めにマックがあった。マックは神とともにあった。マックは神だった。マックは初めから
神とともにあった。すべての概念はマックから作られた。作られたもののうち、マックの手
によらないものはなかった。マックにはGUIがあった。このGUIはマックの光だった。光は
窓の中で輝いている。マックはこれに勝たなかった。
 預言者ゲイツは言った。「私は市場で叫ぶ声である。『林檎の木をまっすぐにせよ』と」
一般ユーザーたちはゲイツに訊ねた。「あなたはマックユーザーでもないのに、なぜ宣伝
をするのですか」ゲイツは答えた。「私はバンドルで宣伝をするが、あの方はブランドによ
って宣伝をなす。私には彼のマウスをクリックする資格もない」
 マック右派たちが、姦通の罪に問われた女を連れてきて、アップルにこう言った。「先生
、この女はウィンドウズ・マシンを使っているときに捕まりました。こういう女はキーボード
で殴り殺せと、マック専門誌の中で命じています。あなたはどうお考えになりますか」アッ
プルは身を起こして言われた。「あなたたちの中でウィンドウズに引け目を感じたことの
ない者が、まず、この女をキーボードで殴りなさい」これを聞いた者たちは、ひとり、また
ひとりと立ち去ってしまい、ついにアップルひとりと女ひとりが残った。「婦人よ、あの人た
ちはどこにいるのか。誰もあなたを罪に定めなかったのか」「主よ、誰も」「私もあなたを
罪に定めない。行きなさい。これからは、もうウィンドウズを使ってはいけない」
 悪魔とアップルの舌戦。「神の子なら、これらの古いCPUが高速になるように命じたら
どうだ」「人はスペックのみに生きるものではない」「神の子なら、シェアを広げるような機
種を出してみたらどうだ」「あなたの神であるマックを試してはならない」「もし土下座して
マイクロソフトと合併するなら、この世のすべてを与えよう」「退け、ウィンドウズ。汝の神
であるマックを拝み、ただマックを使えよ」
惨状の説教。
 「機械音痴の人は幸いである。マックは彼らのものである」
 「周りにマックユーザーがいず悲しむ人は幸いである。彼らは優越感にひたれる」
 「OS8の人は幸いである。彼らは無償で8.1にヴァージョンアップできる」
 「画像処理に飢え渇く人は幸いである。彼らは満たされる」
 「互換機の人は幸いである。彼らは互換がきく」
 「一式すべてアップル製品の人は幸いである。彼らはマックを見る」
 「マックの布教に励む人は幸いである。彼らはマックユーザーと呼ばれる」
 「マックのために迫害される人は幸いである。マックはその人のものである」
 「マックのために罵られ、迫害され、身に憶えのないことで誹謗中傷されるとき、あなた
たちは幸いである。大いに喜びなさい。マックには大きな報いがある。あなたたちより前
のマックユーザーも、同じように迫害されたのである」
 「あなたたちはウィンドウズのお慰みのようなものである。だが、パソコン業界にマック
がなくなれば、ウィンドウズは何によってライヴァルができよう」
 「よく知っているとおり、『ウィンドウズに嫉妬するな』と命じられている。しかし、私は言
っておく。淫らな思いで他人のパソコンを見る者は誰でも、すでに心の中でウィンドウズを
動かしたのである」
 「よく知っているとおり、『ウィンドウズにはウィンドウズを、マックにはマックを』と命じら
れている。しかし、私は言っておく。ウィンドウズに手向かってはならない。誰かがあなた
のマウスをクリックするなら、ダブル・クリックまでさせなさい」
 「よく知っているとおり、『隣りのマックユーザーを愛し、ウィンドウズユーザーを憎め』と
命じられている。しかし、私は言っておく。ウィンドウズユーザーを愛し、自分を迫害する
者のために祈りなさい」
 「パソコンを立ち上げるとき、あなたたちはオタクのようであってはならない。彼らはごちゃ
ごちゃとアイコンを並べ、エッチな壁紙を使っている。はっきり言っておくが、彼らはすでに
報いを受けている。だから、あなたが立ち上げるときは、できるだけシンプルなデスクトッ
プで、最小限の機能拡張だけにしなさい。そうすればコンフリクトも起こらず、さくさくと軽
く快適になる」
 「あなたたちはマックにメモリを積んではならない。お金がかかるし、むやみにインス
トールが増え、OSの意味のないヴァージョンアップをすることになる。メモリは、天に積み
なさい。あなたのメモリがあるところに、あなたの心もあるのだから」
 「ドラッグ・アンド・ドロップしなさい。そうすれば、ファイルが開く」
 「狭い門のマックから始めなさい。滅びに通じるウィンドウズの門は広く、その道も広々
として、そこから始める者が多い。しかし、マックに通じる門はなんと狭く、その道も細い
ことか。それを見出だす者は少ない」
 アップルがこれらの言葉を語り終えられると、あたりまえだが誰もがみんな驚いた。
 十字架にはりつけられたアップル最後のことば。「神よ、神よ、なぜ私を見捨てるのです
か。売れないからですか」