> 2006/06/20 (火) 15:22:30 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> 午前中の予定が押して遅くなったし、面倒だから今日の昼飯は軽めでいいやと入った軽食喫茶にて。隣のボックスの三十代前半くらいの男ふたりが、昼下
> がりの喫茶店に似つかわしくないシリアスでヘヴィな会話をしている。悩み事
> 相談なのだろうが、仕事上のトラブルへの対応を巡って、組織人としての合理
> 的判断と彼個人のクリスチャンとしての信仰の葛藤について、押し殺した声で
> 切々と相手に訴えている。聞き役の男は一通り話を聞いたあと、自らの過去の
> 経験をもとに、ぽつりぽつりとアドバイスを始めた。どうやら彼もクリスチャ
> ンらしい。
> 聞き耳を立てるのも憚られるような真摯な対話だったのだが、いかんせん昼
> 下がりの喫茶店には私と隣のボックスのふたり以外には客がいなかったので話
> し声はほとんど筒抜け。しかも店内BGMはジムノペディ→小川のせせらぎ→ジ
> ムノペディ→小川のせせらぎ→……というミニマムループをごく小さな音量で
> 流してるもんだからこの場面にばっちりはまっちゃってるし、逃げ場がない
> (メンタル面で)。離れた席に座れば良かったと後悔しながら食後のコーヒー
> を待ってると、どうも話が煮詰まってきたようで、悩みを打ち明けていたほう
> の男が少々興奮しながらアドバイス役の男に反論し始めた。さらに張りつめる
> 空気。うわー早くコーヒー来ないかなあ。俺ちょっと居心地悪いっていうか。
> 聞こえないふりしとくけど。でもぜんぶ聞こえちゃってるし。新聞も読み終わ
> ってしまったよ……アドバイス役の男は相手の反論を受け止めつつ、やんわり
> と諭すように、さっきと同じようなアドバイスを繰りかえす。相手はまた、だ
> がこの点は譲れないと再度反論する。もはや叱責に近い。だんだん声も大きく
> なってきた。そしてやっと私のコーヒーが来た。
> 早いとこ飲んで帰ろうとずるずる啜っていると、相手の叱責が一段落したタ
> イミングで、アドバイス役の男が場を取りなすようにこう呟いた。
> 「……たぶん、大元では僕もあなたも一緒だと思うんだ。その後の考え方の違
> いっていうか……Fateに例えるなら、あなたは衛宮士郎で僕は英雄エミヤ、み
> たいなもんで」
> えー! そこで例えちゃうの? 例えるなよ! 相手怒るよ!
> 「……あーなるほど」
> 納得なのかよ! 体は剣でできてるのかよ!
> まったく油断も隙もあったものではない。とっととコーヒーを飲み干して退散した。
長いよ
参考:2006/06/20(火)15時19分29秒