ドイツW杯開幕前に、ジーコ監督の手腕は世界にとどろいていた。6月上旬までに、同監督の窓口となるブラ ジル在住の弁護士に対して複数の欧州クラブチームから監督就任のオファーがあったことが分かった。ブラジル 人関係者が明かしたもので、それに対し、指揮官は日本がW杯で敗退するまで交渉を凍結するように指示したと いう。 以前から欧州での監督業を希望していた指揮官にとっては、もくろみ通りだ。昨年6月にW杯アジア予選突破 を決め、直後のコンフェデレーションズ杯で欧州王者ギリシャを撃破、さらにブラジルと引き分けた。今大会で は1次リーグ初戦のオーストラリア戦でまさかの逆転負けを喫するなど苦しい展開となったが、本大会が始まる 前に監督要請の話が舞い込んだのは、日本をW杯に導く過程が一定の評価を受けた証拠。さらにその交渉を一時 的に中断させた指揮官には、W杯に対する強い覚悟も見える。