アメリカのペンタゴンは開戦から終戦まで毎日終夜電灯がついていたそうだが、 日本の大本営は、開戦のときでさえ、五時になれば各部局ともいっせいに 退庁して女房のもとに帰っていた。 戦争が最悪の事態になって毎日南方で何千の人間が死んで行っているときでも、 かれら軍事官僚は夕方になれば家に帰った。おそるべき官僚国家であった。