2006/07/06 (木) 22:16:11 ◆ ▼ ◇ [qwerty]始末書 [A-007818-3205号]
カミーユ・ビダンは、UC0087年4月20日0623時、月空域における訓練ミッション中、不
注意によりEQ-D79F型プローブを破損せしめ、 所属部隊に重大な損害を与えたことを深く
おわびしたします。 今回の事故は私の未熟な操縦および状況判断によるものであり、た
とえ民間人といえども、貴重な機材を喪失した事に対する重大な責任を痛感し、反省する
次第です。
今後はかかる事故を二度を起こさないことを誓い、たとえ一民間人といえども、一層奮
励努力いたします。
UC0087年4月20日
エゥーゴ巡洋艦アーガマ所属RX-178 3号機パイロット
カミーユ・ビダン(市民ID#BK70111106)
個人的補記
まず、一民間人である私が、かかる書式に則って始末書を提出することに対しては、重
大な疑問点があることを主張します。
たとえ民間人であっても、物を壊したら謝罪するのは道理ですが、悪気があってやった
ことではないですし、謝罪するにしても形式ばった軍の書式で始末書を 提出することに
どれほどの意味があるのか疑問です。
謝罪するのなら、軍に対してではなく、機材を購入するための費用を供出した納税者に
対してするべきでしょう。そしてそれは事故に関連した関係者全員の謝罪であるべきです。
なぜならば事故は一個人の過失によって引き起こされたものではなく、関係者全員の作
為・無作為の総和であるからです。
換言すれば、単なる一市民に過ぎないカミーユ・ビダン一人が頭を下げただけですべて
がすんでしまうというのなら、その程度の『軍隊』という組織の誤謬と欺瞞性が明らかに
なったというべきなのであって、それでもかまわないというのなら、それはそれで結構な
ことですが、本当にいいんですかね、それで?
加えて、敢えて指摘すれば、かかる状況を現出せしめた主因に、クワトロ・バジーナ大
尉の危険な挑発行動があったことは明白であります。
クワトロ大尉の操縦する機体のマヌーバ記録(ファイルFGH2120-R646-F/08)を参照す
れば、該当マヌーバが本訓練ミッションの想定範囲を大きく逸脱した危険行動であること
は明らかであり、これはクワトロ大尉の私に対する個人的攻撃感情の発露としての挑発行
為であることが推測されます。
(ファイルFGH2120-R646-F/08:ファイル・クラスタM:インデックス・タグ#12989~#205
33参照のこと)
この点において、クワトロ大尉のパイロット適正に対する重大な疑義を提示することは
衆目の一致するところであると信じます。
クワトロ大尉と私との確執は、大尉の一方的な思い込みによるものといえ、その偏執狂
的執着が、今回の事態を招いたことは明らかです。このような人物がモビルスーツを操縦
し、あまつさえ作戦行動に従事し、のみならず部隊を指揮するということはもはや常軌を
逸した行動であるといわなければなりません。
クワトロ大尉のような人物に作戦をまかせることは、猿に爆弾を持たせるのも同然であ
り、しかもそれは猿に対する侮辱ですらあります。なんであのような奴が偉そうな顔をし
て、みんな平気でいられるのか、ぼくにはまったく理解できません。みんなおかしいと思
わないのか?
さらに状況を敷行すれば、かかる問題人物をパイロットとして採用し、作戦に従事せし
めた指揮官の人選および判断にも瑕疵があったことは明らかであります。
ヘンケン中佐の作戦指揮には、集団行動を円滑に推進するための配慮が著しく欠落して
おります。人を見る目がない、と換言することもできましょう。だいたい、ふだんから色
眼鏡で表情を隠しているような人物を信用するなど、指揮官としてのヘンケン中佐の適正
には強く疑念を感じざるを得ません。人の上に立つ器なのか?
クワトロ大尉も、人に話をするのなら、まず目を見せるべきでしょう。
ひょっとしたら顔隠さなければならないほどブ男なのか? 笑うぞ。
したがって、かかる状況における私の責任はその範囲において軽減され、クワトロ大尉
ならびに大尉の行動を容認したヘンケン中佐にも相応の責が課されるのが正当であると敢
えて主張するものであります。
なんだよいったい始末書って。
こっちは頼まれたから戦ってやってるんだということをみんな一度、よく考えてみるべ
きでしょう。軍隊には、礼儀というものはないのですか?