捜索令状執行の際に,宅配業者を装って扉を開けさせることが許されるか。令状を事前に示していない点は問題とならないか。 刑訴法110条は令状を相手方に呈示する事を義務付けている。同条の趣旨は相手方に令状の内容を了知させて異議申し立ての機会を確保する点にある。 ゆえに,その目的を達成するには執行前に提示することが望ましい。 しかし,覚せい剤事件などでは令状を提示していたのでは罪証を即座に隠滅される恐れがある。 そのような場合には,刑訴法111条によって,証拠の隠滅を防止しつつ令状を呈示できる状況を作出することができると解する。 111条は錠の破壊等を例示しているところ,宅配業者を装って扉を開けさせる手法はより穏当な手法であり,適法である。