“おはよう、ブリッグス君。 まず赤い電気をつけて、それから現像皿のカバーを取ってくれたまえ。 さて、我々自由陣営に対する新兵器が開発され、その詳細をふきこんだ録音ワイヤーを手に入れた我が国の諜報員が、 君が今見ているその湖まで来たと思いたまえ。おそらく彼はそこから、ボートで中立国側へ逃れようとしたにちがいない。 ところがそこを秘密警察に咎められ、一時身を隠した。が結局まもなく発見され、逃げようとして射殺されてしまった。 さて彼は、隠れているわずかな間に録音ワイヤーをどこかに隠したのだが、よほど巧みに隠したらしく、秘密警察が 全力を挙げて捜しているにも関わらず未だに発見されるに至っていない。また他の国もその録音ワイヤーを狙って スパイを送り込んでいるらしい。 そこで君の使命だが、その録音ワイヤーを見つけてその国から持ち出すことにある。 例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。 なお、このレコードの録音部分はただちに変質する。