6月6日午後、佐世保市の相浦駐屯地沖2キロの海上。停泊した海上自衛隊輸送艦から 5隻のゴムボートが海岸に向かって進み始めた。 ボートには完全武装した西方普通科連隊の隊員が乗り込んでいる。目指す海岸の300 メートル手前の地点で、足ヒレを装着した屈強な隊員8人が静かに海面に降り、小銃を 担ぎながら横泳ぎで砂浜を目指した。 ”離島奪還訓練”。日本で初公開されたこの訓練は、今年1月に同連隊が米カリフォルニ ア州サンディエゴの米海軍コロナド基地を中心に米海兵隊と共同で実施した実働訓練の 成果を、陸自の全国の各部隊隊員(約100人)に研修させ、併せて報道陣に公開する 目的で実施された。 海面を滑るように泳ぐ彼らは「水泳斥侯」と呼ばれる。夜間、ボートで侵入する本隊の 誘導が任務だ。