> 2006/08/07 (月) 13:32:29 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> かつて世界を取ったそのグローブは
> 数十年の時を隔ててもなお輝きは失ってはいない。
> おもむろにトーントーンと足を使い始めるガッツ。
> その華麗な動きに思わず後ずさる亀田父。
> 「待てや、親父の前にワシが相手や」
> その場にいた全員が目を疑った。
> 「・・・・興毅!!」
> 「!!」
> 気づいた時にはガッツの目の前に興毅のストレートが迫っていた。
> 誰もがガッツが無残に打ちのめされる姿を予感し目を瞑った。
> だが地面に倒れていたのはガッツではなく興毅だった。
> 「これがクロスカウンターだ、興毅君」
「え、演出や」
地面に臥した興毅は不敵な笑みを浮かべながら立ち上がった
往年の世界チャンプはまるで瀕死のネズミを見るような眼で
興毅を見下ろしていた。
哀れだ。例えるなら武装した兵士に飛び出しナイフで挑むチンピラ。
息子の強さを信じていた父の目にも結果は明らかだった。
興毅の足はガタガタと震え、視線も定まらない。
「興毅君、もうやめにしようや」
ガッツの気がゆるんだその一瞬を興毅は見のがさなかった。
参考:2006/08/07(月)13時25分23秒