最初が肝心で、協会にも選手にも荒療治でまず一発ガツンとかませておくの がオシム流のようだ。自分のペースに巻き込んだら、後は手のひらで自在に 転がそうというつもりか。「一言一言に含蓄がある」と早々とほめそやされ てもいる。しかし、「今回の代表選考のポイントは」の質問に「代表チーム を編成するために必要な選手を呼ぶこと」と答えるなど、はぐらかしも多 い。 その手を十八番にしていた小泉首相が、イラク特措法をめぐって「非戦闘地 域」の定義を聞かれ、「自衛隊が活動するところが非戦闘地域」とはぐらか していたのを思いだす。オシム監督も最後に「いつ私がW杯に出られる、と いいましたか」などとけむに巻いて退陣していくのだろうか。