ある老婆が、一人の修行僧を世話して二十年がすぎた。 あるとき少女が修行僧に抱きついて誘惑した。 「さあ、私をどうなさいます?」 僧はまったく動揺せずにいった。 「枯れた木が冬の岩に立つように、私の心はまったく熱くならない」 この言葉を少女から聞いた老婆は、激怒していった。 「自分は、こんな俗物を二十年も世話していたのか!」 そして僧を追い出し、庵も汚らわしいといって焼いてしまった。