2006/08/20 (日) 22:45:59        [qwerty]
急に不安になって、ここ(デパート内)から出なきゃ、と思って、慌てて走った。 
デパートの正面口に向かって走る。いつも販売してるのは、この正面口の外だ。 
ドアを開けて外に出る。すると、驚いた事に、街頭販売用のセットがちゃんと 
セッティングされていた。何が何だか判らず、そのセットの前でしばらく突っ立って 
いた私だったが、不意に携帯電話が鳴って、見てみると、発信番号が「非通知」でも 
「公衆」でも無く、「NOBODY」と表示された着信だった。勿論私の電話帳に 
「NOBODY」なんて人はいない。もう怖くて怖くて仕方無かったが、何となく 
出なきゃいけないような気がして、意を決して電話を取った。 

「もしもし…?」そう言うと、相手は低くくぐもった男の声で「何でこんな所にいる?」 
と聞かれた。私はそいつが何か知ってるのかと思って「こんな所って?仕事で来たんだけど 
誰もいなくて」と焦ってそのまんまの状況をまくしたてた。すると男は「繋がってしまったか」 
と意味不明な事を言った。確かにそう言った。私は電話の男の反応を見ながらも、私がここに 
いる事を知ってるって事は近くにいて私の存在を確認してるんだと思って、辺りを見回した。 
すると、正面口から左に伸びる道の向こうから誰かが歩いて来るのが見えた。私は咄嗟に、 
そいつは私を助けてくれる常人では無いと思った。 
何故ならそいつは向こうを向きながら後ろ歩きでこちらに向かって来ていたからだった。