2006/08/20 (日) 22:49:08        [qwerty]
ヒルの口から、細く、赤い血が垂れた。 
身をよじり、ヒルは俺に吸い付こうとしていた。 

見上げると、ヒルのうち何匹かは細長くなり、 
膨れた背は縮んでいるように見えた。 
吸っているのはヒルではなく、大木の方だと気付いた。 

ヒルから血を吸い取る神木。 
大量のヒルをもう一度見つめ、誰が、あるいは何が 
ヒルに血を供給しているのだろうと思った。 

しめ縄に触れ、そっとそこを離れた。 
腕にヒルが食いついていた。 
そいつを引き剥がし、投げ捨てた。