ヒルの口から、細く、赤い血が垂れた。 身をよじり、ヒルは俺に吸い付こうとしていた。 見上げると、ヒルのうち何匹かは細長くなり、 膨れた背は縮んでいるように見えた。 吸っているのはヒルではなく、大木の方だと気付いた。 ヒルから血を吸い取る神木。 大量のヒルをもう一度見つめ、誰が、あるいは何が ヒルに血を供給しているのだろうと思った。 しめ縄に触れ、そっとそこを離れた。 腕にヒルが食いついていた。 そいつを引き剥がし、投げ捨てた。