ホウジの話 ホウジ、というのをご存知だろうか? 何か物を山中に置くときに、目印にするものだ。 生木の棒に萱でも柴でも、ピラミット型に縛り付けて 置いた物の近くに挿す。 しかし目印だと思っていたのは、私だけのようだった。 父は呪いだという。 びっくりしたのは、ソーセージの近くにホウジを立てると 置いても犬が食べない。 しかし私が立てると、食べる。 見えているから父が怖くて食べないのかというと、そうでもない。 ホウジを抜くと、あわてて食べる。 作ったのが私でも、父でも結果は同じ。 犬を誘導しても、嫌がって食べない。 ためしに離れたところに運んだらどうなるのかと手を伸ばすと怒られた。 なんだかよくわからない。 触ったらどうなるのか聞くと、 そりゃあ知らんわ、触ったことが無いけえのと嗤った。 今日、ホウジのことを聞いてみた。 どうやら盗られんなよ、という気の入れ方らしい。 明日庭でやってみようかと言うと、山でなきゃあ出来んよと言わ