2006/09/11 (月) 19:32:15        [qwerty]
幼稚園に入るちょっと前ぐらいか? 
子供の頃に毎日のように一緒に遊んでくれた不思議な動物がいた。 

大きさは、自分よりも大きかったから、犬のゴールデンレトリバーぐらいだと思う。 
がっしりとした体で足が太く、体は真っ白で毛が長く、目は濃い水色で透き通ってた。 
今でもハッキリと覚えてるのは、
尻尾が5本あった事と、
両目の間から山吹色の短い角みたいなのが一本生えていた事。 

俺はその動物を「ワンタ」と呼んでいた。 
俺が好きだったグレープジュースを一緒に飲んだり、
白い柔らかなせんべいみたいなお菓子を分け合って食べたりしてた。 

よく俺がワンタと一緒に遊んでいると、おふくろは一度だけワンタを見た事があるからなのかな、
ジュースを2つ用意してくれたのを覚えてる。 
ただ、親父にはワンタは見えないらしく、勝手にワンタのジュースを片づけてしまったりして、よく俺が泣いていた。 

ワンタは中学校に入るちょっと前ぐらいに 
『もうお前と遊ぶことができなくなってしまうなぁ。
 でも、いつもここにいるからな』 
みたいな事を言われて以来、ワンタと会えなくなった。 

中学校1年の中頃まで、毎日のように庭に出たけど、
あの日以来、ワンタの姿を見る事はできなかった。