2006/09/23 (土) 06:39:39        [qwerty]
 ゆっくりと二人は唇を離し……、見つめ合った。
 恥ずかしそうに、ルイズは顔を逸らす。
「そんなにじろじろ見ないでよ……。も、もうばか。い、いい、犬のくせに……」
「犬ごめん」
「謝らないでよ。犬……、ばか犬。犬のくせに、ご主人様をそんな目で見るなんてどうに
かしてるんだから……」
 ルイズは唇を尖らせて、自分がどうにかしてるんじゃないかと思うほど鳴きそうな声で
言ったので、もう我慢ができなくなった才人は飛びつき、ルイズを押し倒した。
「きゃ!」
 首筋にキスをすると、電流にはじかれたようにルイズの身体が跳ねた。
「ごめん。もうだめ。ごめんよ。おれ、もうだめ」
 うわごとのようにつぶやきながら、シャツの隙間に手を差し入れようとしたら、ルイズ
はその手を払いのけた。
「ルイズ……?」
 ルイズは、泣きそうな小さな声で、
「明るいじゃない」と言った。
 窓の外からは、さんさんと太陽の光が差し込んでいる。
 シャツを押さえたまま、ルイズは身じろぎもしない。
「じゃ、じゃあ夜になったら……?」
 才人は震えながら聞いた。
「か、かか、神さまと母さまにお伺いを立ててから」
 ルイズも震えながら答える。
「どうやって聞くの?」と間抜けな声で才人が尋ねたらルイズは、
「心の中でよ! もう! とにかくそんなことわたしに言わせないで! 知らない! ば
か! ばかばか!」
 枕をつかんで、ルイズは才人をポスポスと殴った。