2006/11/04 (土) 04:31:13        [qwerty]
きっかけは、ある小学生のお母さんからの電話でした。当店で扱っている
 リトマス紙を使って、小学六年生の息子さんが自宅で理科の教科書通りの
 実験をしようとしたのですが、「結果が教科書とちがう」ということでし
 た。くわしく話を聞いてみると、こういうことになります。小六の理科の
 教科書には「食塩は中性」と書いてある。そこで家にあった食塩を水に溶
 かして赤いリトマス紙を浸してみたところ「青くなった」というのです。
 つまり食塩水はアルカリ性を示した、と。教科書がまちがっているはずは
 ないので、リトマス紙がおかしいのではないか、という疑問が生まれたわ
 けです。

 調べました。
 まず教科書会社に電話し、本当に「食塩は中性」という記述があるのかど
 うか、確認しました。あります、という答え。そこで実験してみました。
 事務所にあった食卓用の塩では、やはり赤のリトマス紙は青くなりました。
 その塩を作っている会社に電話しました。そして、おおむね、市販の食塩
 は中性よりアルカリ寄りの値を示すらしいということがわかりました。ま
 た「食塩」は、あるメーカーの食用の塩に付けられている商品名である、
 ということもわかりました。かつて塩が専売であった時代の慣習がそのま
 ま生きているのか、帰りに地元のスーパーに立ち寄ったところ、商品棚に
 並ぶ26種類の塩の中で「食塩」という名前のものはたった1つだけでし
 た。「たばこと塩の博物館」にも電話したところ「食塩≒塩化ナトリウム
 という定義であれば、食塩は中性である」とのことでした。ネットで検索
 すると、「食塩は塩化ナトリウムの慣用名」という記述も見つかりました。

 現在、「食塩」はさまざまな民間企業で作られています。市販の塩でアル
 カリ寄りのpHを示すものがあるのは、塩化ナトリウム以外の成分が含ま
 れているからです。食塩のもとになる海水には、もともと塩化ナトリウム
 以外のさまざまな物質が溶け込んでいます。今、健康食品としてブームに
 なっている「にがり」も、もとは海水です。お電話をいただいたお母さん
 には「定義としての食塩と市販の食塩の違い」を説明し、ご理解をいただ
 きました。自宅でも理科の実験をやってみようという小学生の熱心さに感
 心するとともに「何でも、自分で確かめてみないとわからない」ことを改
 めて実感させられた次第です。

へぇ~