ユダヤ人虐殺で国際指名手配になっていたアイヒマンが捕まり、死刑を言い渡された。 死刑の前夜、アイヒマンは看取を呼び、ラビ(ユダヤ教の牧師)を呼んでほしいと頼んだ。 ユダヤ教に改宗したいというのである。 看取が、今になって何故そんなことを、と尋ねた。 「そうすれば」アイヒマンは言った。 「明日また一人ユダヤ人が死ぬことになるからです」