あの頃は異常だったと、当時の機動隊員や公安警察官は言う。 デモや、バリケード封鎖に参加する学生の大半は当初こそ ベトナム派兵を行うアメリカとそれに同調する日本政府への 漠然とした反感や批判しか持たなかった。 やがて、学生たちの連帯感は、破壊に対する罪の意識を鈍らせ ぼやけた政治思想が確たるものになり、憎悪の迷走を始める。 接点も、対立の理由すらも無かった機動隊が「国家権力の犬」となった。