毎年、こんな強い風の吹く季節は、遠くの国の砂漠から、風に乗って黄色い砂がやってくるんだよって、 あの人は、あたしの手をとって、そう教えてくれた。 ほんのちょっぴりだけ舐めた指先には、きらっと光る、金色の砂が、一粒、付いていた。 あれから毎年、こんな風の吹く日は、こうして、家の前に立って、独り、ぼーっと待ってしまいます。