あの人、あたしのお祖父さんは、町で、ちょっぴり有名な、発明王だったの。 あたしはいつも、優しいジジが大好きで、ラボに入り浸ってたっけ。 いつも着ているちょっぴり油の付いた繋ぎも、長く伸ばしてる真っ白なおひげも、 笑うと、シワいっぱいのほっぺも、みーんな大好きで、いつも、ジジに纏わり付いてたの。 あたしが初めてメカに触ったのは、ジジのラボだった。 「これなら、好きに弄っていいよ」って、貰ったガラクタを、組み立てたり、壊したり。 色々弄って遊んでるうちに、メカが動き出すようになったの。 「こりゃぁ、案外才能あるかもしれん。」「すごいなぁ。鈴凛。」 ジジとアニキにいっぺんに褒められて、とっても幸せ。 大好きなアニキの手、シワシワだけど、素敵なジジの手。 それが遠くて遥かな、優しい思い出。