<黒の預言書> それは「存在してはならない書物」 とある預言書崇拝教団の施設より押収された 全二十四巻から成る黒い表紙の古書 そこに記されていたのは 有史以来の数多の記録 ある種の整合性を持つ 歴然とした年代記 それを史実を認めるならば 我らの肯定してきた歴史とは何なのだろうか? 書の記述は未来にまで及び 一つの相違に 複数の学説を芽吹かせ 蟲惑の論争を咲かせる その最大の論点は 近い未来この世界が 終焉を迎えるという<史実>…