素数は数学者たちを何代にもわたり,ほとんど神秘的な魅力で惹きつけてきた。 「素数日にしか妻とベッドをともにしない数学者さえいるほどなんだ。月の初めの うちはいい。二日,三日,五日,七日……。ところが素数がなかなか出なくなる下 旬になるとしんどくなってくる。十九日,二十三日,それから大きく空いて二十九 日になるんだ。でもこいつはひどく変わったやつだった。今は,誘拐と殺人未遂の 罪でオレゴン州刑務所で二〇年の刑に服しているよ」