2007/02/27 (火) 23:14:44        [qwerty]
「傷の具合はどう?へいき?プロデューサーさん」 
「ああ……」 
「ゆっくり治せばいいよ。もうお仕事もないんだし。……プロデューサーさん……他の子をプロデュースしちゃうの?」 
「…………」 
「……でも、またすぐ会えるよね?一緒にお仕事しようよ……前みたいにさ!」 
「美希……」 
「なに?プロデューサーさん」 
「実は美希は……本当は……本当はこの世界に存在しないんだ!」 
「えっ?」 
「崩れた芸能界のバランスを救うため、俺が君の世界から呼び出したんだ」 
「プロデューサーさん、な、なに言ってるの?」 
「本当なんだ!この世界は美希にとっての現実じゃないんだよ!」 
「そんな……ううん!だってちゃんと覚えてる!プロデューサーと出会ったことも! 
 一緒にレッスンしたりオーディションがんばってテレビに出たりしたことも!」 
「それは……それはぼくが創ったいつわりの記憶なんだ……。それを美希は、信じこんでいたんだよ」 
「……う……うそなの!うそなのうそなのうそなのーっ!」 
「うそじゃない、本当だ……。社長が言ってた異の夢……君の本当の現実こそが、この世界にとって、異なる夢ってことなんだ……」 
「……違うの……ミキは違うの……」 
「千早の歌が世界を再生させたら、ミキもこの世界にはいられなくなる……」 
「やなの!ミキはどこにも行かない!行かないの!」 
「美希……俺だって……俺だって!」 
「あ、これ……千早の」 
「美希……帰るときが来たんだ。君の現実に」 
「やなの!やなのやなの!!プロデューサーさん!」 
「…………美希!」 
「プロデューサーさん!プロデューサーさん!」 
「美希っ!美希ーっ!」