>  2007/03/13 (火) 20:30:37        [qwerty]
> > 寒いね、外。
> ホワイトアルバムとかkanonとかはあんまりわかんないよ(;´Д`)
> 冬といったら同級生2メニヤの俺はそれが同級生からの引用でないことはしってる

 雪が降っていた。
 雪が好きだと思ったことは、一度もない。今も、昔も。
 約束の時間はとっくに過ぎていた。待ち人は現れない。だからといって
どうしようもない。ただ、待った。時間だけがただ、あった。
 駅前の広場。見知ったはずの街。帰ってきたという気はしなかった。
「雪、積もってるよ」
 声。顔を上げると女がいた。知らず、面影を探していた。
「遅かったな」
 俺は言った。
「今何時?」
 答えず、俺は左手を差し出し、袖を捲る。腕時計。安物のクロノグラフ。
女はその文字盤をのぞき込む。
「わっ、びっくり。まだ二時くらいだと思ってたよ」
 それでも遅れている事には変わりがない。怒る気にはならなかった。女
の持つ空気がそうさせたのか、孤独から救われた喜びからなのか、判断
はつかなかった。
「ひとつだけ聞いていい?」
「あぁ」
「寒くない?」
 馬鹿げた質問だった。答えず、空を仰ぎ見る。暗い。曇った空に、
 粉雪が舞っていた。

参考:2007/03/13(火)20時21分22秒