> 2007/03/13 (火) 20:30:37 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> > 寒いね、外。
> ホワイトアルバムとかkanonとかはあんまりわかんないよ(;´Д`)
> 冬といったら同級生2メニヤの俺はそれが同級生からの引用でないことはしってる
雪が降っていた。
雪が好きだと思ったことは、一度もない。今も、昔も。
約束の時間はとっくに過ぎていた。待ち人は現れない。だからといって
どうしようもない。ただ、待った。時間だけがただ、あった。
駅前の広場。見知ったはずの街。帰ってきたという気はしなかった。
「雪、積もってるよ」
声。顔を上げると女がいた。知らず、面影を探していた。
「遅かったな」
俺は言った。
「今何時?」
答えず、俺は左手を差し出し、袖を捲る。腕時計。安物のクロノグラフ。
女はその文字盤をのぞき込む。
「わっ、びっくり。まだ二時くらいだと思ってたよ」
それでも遅れている事には変わりがない。怒る気にはならなかった。女
の持つ空気がそうさせたのか、孤独から救われた喜びからなのか、判断
はつかなかった。
「ひとつだけ聞いていい?」
「あぁ」
「寒くない?」
馬鹿げた質問だった。答えず、空を仰ぎ見る。暗い。曇った空に、
粉雪が舞っていた。
参考:2007/03/13(火)20時21分22秒