2007/04/28 (土) 01:10:51 ◆ ▼ ◇ [qwerty]なにやってんだお前はこんなところで・・・
と言いたくもなったが、ハルヒの顔を見ていたらどうも言葉が出てこなかった。
どうやら俺が忙しい日常の中で、もっとも再び見ていたいと思ったのは、こいつの顔だったようだ。
おかしい話だよな、こいつと会ったらもっと忙しくて面倒なことに巻き込まれるんだぜ。
でも、ひとつ言えることは、忙しさの中にも楽しさと、そして心のやすらぎを得ることができたということ。
いろんな思いが交差する中、最終的に俺の全思考回路がハルヒに向ける言葉として選んだものは、
「よう」という一言だった。
「あんた、よく覚えていたわね」
とハルヒがつぶやいた。
どちらかと言えば勘が鈍いほうの俺だが、これが何のことかは一瞬で思い当たった。
少しの間をおいて、はにかみながらハルヒにこう返す。
「団長、1周年おめでとうございます」
ハルヒの目が、かつてのように輝いた。
「ふん、相変わらずあんたはバッカねぇ!」
これは思わぬ反応だった。と、同時に久しぶりに聞くハルヒ節がなぜか心地よく感じた。
「どうせあんたは卒業して1周年とか考えてるんでしょうが違うわよ!
今日はSOS団設立からちょうど4周年でしょ!だいたい1周年だったら卒業式から逆算しても
日にちが合わないじゃないの。ふん、あんたにしてはいい事言ったけど詰めが甘いわねー!」
まぁ、そういわれてみればたしかにそうか。
ただ雰囲気的には1周年って感じはするがな。もう4年経つのか。早いもんだ。
あらためて部室を見回してみると、随分閑散としている気がする。
現文芸部の作成した会誌や読書コンクール作品などが整えられて机の上に置いてあり、
至極まじめに活動している様子が見受けられる。
そういえば俺たちもハルヒ編集長の指示によって文芸部(ではないが)の会誌を作ったっけな・・・
朝比奈さんのかわいらしい童話や長門の淡々としたエッセイ、鶴屋さんの大爆笑必至のアレ。
コンピ研の部長氏が目を充血させてまで書き上げたようなパソコンゲームなんとかの記事。
そしてできれば忘れたい俺の恋愛(というのかどうか分からんが)小説。
「あんたの恋愛小説にはもうちょっと期待してたんだけどねー、期待して損したわ。」
余計なお世話だ。