2007/04/28 (土) 01:12:08        [qwerty]
間髪入れずにハルヒは振り返り、俺のいる方へと近づいてくる。 
よく注視してみると、紙袋を後手に隠しながら歩いてくるのが分かった。 

「ハルヒ、お前後ろに何隠してんだ?」 

頑張って俺に見られぬように隠している紙袋に入っている物体について、 

わざと先に聞いてやった。 

「!!!!・・・ちょ、ちょっとあんた、そういうのは気付いても言わないのが男心ってもんでしょうが・・・」 
立ち止まってハルヒはそっぽを向いた。 

予想通り。この反応が見たかった。 
たまにはいいだろ?俺のほうがお前を困らせてやっても。 

「・・・バカ。」 

そう言いながら、ハルヒは紙袋から包装された物体を取り出した。 


「なんだこれ?」 

おそらく万人がそういう反応をせざるを得ない、意外な代物が飛び出してきた。 
年季を感じさせる、例えるならば中学生が3年間一度も買い換えずに使い込んだ筆入れのような、 

財布だった。 

先ほど意外な代物と言ったが、俺はこの財布に見覚えがあった。 
喫茶店の代金を払うのは大体が俺の仕事のようなものになっていたので、見かける機会は少なかったが、 

それはハルヒが使っていた財布と見て間違いはなかった。 

「・・・お、お礼の言葉はないのっ!?団長直々の贈与品なんだからおとなしく謝辞を述べなさいっ!」 

なんだそのめっちゃくちゃな理屈は・・・。 
と思いつつも、何でまた財布なんだろうな。それもハルヒ本人の使っていた。 

その辺はまた後で聞くとして、まず最大の疑問を投げかけてみた。 

なんでまた、これをわざわざ包装してるんだお前は。