2007/04/28 (土) 01:13:36        [qwerty]
「まーた!なーにニヤニヤしてんのよ!・・・べ、別に深い意味があるわけじゃないんだからっ!」 

ん、またニヤニヤしてたのか?俺は。 
別に意識あっての行動ではないんだがな、どうもクセになってるらしい。 

外の景色が春らしく、穏やかな陽気で静けさの中にあるように、 
文芸部室もまた静かになっていた。この空間には俺とハルヒしかいない。 

それにしちゃやけに静かだな。 

「さっ!キョン!おとなしく財布を渡しなさいっ!ついでにあんたの財布の中身も拝見させてもらうわよぉ♪」 

ハルヒは強引に俺のパーカーのポケットに入っている財布に向かって腕を伸ばしてきた。 
全く、ほんとにむっちゃくちゃな奴だなこいつは・・・ 

ん?俺の財布の中身・・・ 

これはまずい。 

俺が理性を最大限に働かせて、財布の略奪を必死に阻止しようとしたときにはすでに、 

ハルヒの手を伸ばした先にあった。 

「ふぅーん、さぁーてさてっ!雑用キョン君の財布にはなーにが入ってるのかしらっ!」 

俺は一瞬目を覆いたい気分になったが、もうどうしようもないのでハルヒを見つめた。 
そもそも略奪を阻止したとして、アレだけを財布から抜くのなんて無理だろう。 
これはしてやられた。 

「・・・ちょっ、あんた・・・これ・・・///」 
ハルヒの顔が紅潮していくのが分かった。もうホント、これ以上ないくらいに分かりやすかった。 

「あ・・・あたしは別に、それ、本気のつもりじゃ・・・っと、その、冗談よ!2ヶ月はやいエイプリルフールなのっ! 
あ、あんたもそれ見て冗談にしちゃきついなとか・・・い、いってたじゃないの! 
もう1年以上経つのに・・・それを・・・財布に入れてるって・・・」 

どうしよう、ほんとにこれ。 
団長様直々のお言葉だったので入れておきましたとか? 

どう考えても言い逃れにしかならない。 
俺は・・・