2007/04/28 (土) 01:15:16        [qwerty]
「な・・・なによっ」 

ハルヒの顔が、凄く近くにある。 
あの時よりももっと近く、遠めに見たら抱き合っているようにしか見えない距離にまで引き寄せた。 

今までハルヒと過ごしてきた日常の中で、顔が今くらい近くに来たことは、何回かある。 
ただ、今までと違うのは、体も凄く近くにあるということ。 

いつぞやハルヒが言った「黙って溜め込むのは精神に悪いわよ」という言葉。 
それを倣うように、左脳をフル回転させて思考した考えを忘れ、 
ハルヒの言った「はっきり」の一言で浮かんだ思いをヘタクソな言葉に乗せて、俺は言った。 

「ハルヒ」 

「どうやら俺はお前の事が好きみたいだ」 



・・・ 

結局少し回りくどい言い方になってしまった。 
どうして俺はこうなんだろうな。まぁ、そこは個性として考えてくれればありがたいよ。 

「・・・バカ」 
俺の腕の中で、ハルヒはそう呟いた。 
「すまん」 

これ以上先、言葉は必要なかった。 
あの時感じたときと同じように、ハルヒの唇は温かくも湿りをもっている。 
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|あんたの寂しい心を吹き飛ばすような、穏やかな光でありたい。以上! 
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ハルヒが直筆で書いたとはとても思えんような、カードに記された趣深い言葉。 
回りくどくなく、やたらストレートだったこの言葉。最後にやや照れ隠しのように記された団長のキメ台詞。 
そういえば渡される前の日にハルヒが国語辞典を読み漁ってたな。こいつに穏やかってのは変だが。 

ともかく、こうして俺はここでハルヒを立ちながら抱きしめ、唇を重ねている。 
時が止まって欲しいとも感じたさ。体中に幸せを感じていたからな。 

そんな状況下で、全く予期せぬ事態が発生した。 

ガチャッ! 

扉が勢いよく開いた。