2007/04/28 (土) 01:16:57 ◆ ▼ ◇ [qwerty]部室の時のように、顔を赤らめながら俺を見上げたハルヒは、消え入るような声で、
「・・・財布、まだ交換してないでしょ。」とつぶやいた。
ああ、そういえばそうだったな。あの時はいきなり古泉たちが現れて・・・
「それに・・・ま、まだ・・・答えてないでしょ、あ、あんたの・・・こ、こっ、こく・・・」
とりあえず、道の真ん中でそんな話するのもなんだから、どっか座ろうぜ。
そう言った俺はハルヒの手を引き、公園にある大きなベンチに座った。
ハルヒは俺の手を握ったまま、顔を逸らして言葉を続けた。
「まったく・・・あ、あんたもいきなりすぎるのよっ・・・。その・・・心の準備ってものがね・・・」
3年間、俺は心の準備を常にお前によって無視され続けたけどな。
「そ、それとはまた話が別よ・・・!その、あの・・・。」
吹く風にかき消されるような、ハルヒらしからぬ小さく弱い声。
ハルヒの萌え部位がポニーテール以外にもあったということを、もっと早く知りたかったぜ。
谷口の話では、中学生時代、こいつはされる告白をすべて承諾していたらしい。
2週間とか直後に「普通の人間の相手をしている暇はないの」と言ってフッていたみたいだが、
どんなにつまらない奴の告白も受け入れていた。
おそらく、そのときもハルヒらしくサバサバと受け入れていたのだろう。
ところが今はどうだろう。
中学時代のハルヒがいちいちこんな風に恥ずかしそうにしていたとはまったく考えられない。
俺は超能力者でも未来人でも宇宙人でもないから、
ハルヒの頭の中をインチキして覗くことはできない。できたとしても覗こうとは思わないけどな。
でも、ひとつ分かることは、
ハルヒが俺のことを特別な存在だと考えてくれているということ。
それが何よりも、
嬉しかった。