2007/04/29 (日) 17:27:39        [qwerty]
天沢に送ってもらった帰り道、天沢は「将来、バイオリン作りの職人になりたいんだ」と、自分の夢を語ります。

同じ本を読んでいながら、自分とは違い、将来の進路をしっかりと決めている天沢聖司に、雫はコンプレックスを抱きます。

それは、雫が初めて感じた焦燥感でした。

翌日、学校へ行くと、昨日の帰り道で天沢と一緒だったことが早くも級友にバレていて、ちょっとした噂になっていました。

ちなみに、告白以来ギクシャクしていた杉村とも、何とか普通に挨拶できるようになりました。おめでとうございます。

昼休み、雫のクラスに天沢がやってきます。

「月島……いるかな?」

「は、はいっ!」

突然の天沢の訪問に、戸惑う雫。

しかしこの男、今までは唐突に現れるだけだったのに、名前が発覚した途端大胆になりましたね。これも何かの作戦でしょうか。

屋上に呼び出された雫は、天沢に向かって文句を言います。

「あんなに人がたくさんいるところで……」

天沢「ごめん、でも、雫に一番に教えたかったんだ」

あれっ?

さりげなく「雫」って呼び捨てになっていますね。

言葉をたくみにあやつって距離を詰める……さすがは天沢聖司。15歳とは思えない恋テクです。

さて、天沢が何を雫に伝えたかったのかというと、夢であるバイオリン職人になるために、中学を卒業したら修行をしにイタリアへ行く。それが可能になったんだということを教えにきたわけです。

まぁ、そんなことはどうでもいいのです。

なぜならこの後、彼は衝撃の告白をするのですから。

いいですか、耳かっぽじって聞いてくださいよ。

雨が止み、屋上の手すりにもたれかかる雫と天沢。

そして天沢が一言。

「俺……図書カードで、ずっと前から雫に気がついていたんだ」

えっ?

「図書館で、何度もすれ違ったの、知らないだろ」

ええっ? 

「隣の席に、座ったこともあるんだぞ。……俺、お前より先に図書カードに名前を書くために、ずいぶん本読んだんだからな」

……。

…………。

………………。 
ストーカー!
間違いありません。

ヤツは本物のストーカーです。
……しかし、この時点で既に天沢に惚れていた雫は、ストーカーのさりげないカミングアウトにも気づかず、逆に「すごいね…」と感心する始末。
やはり普通の15歳では、こんなもんなのでしょうか。雫では天才天沢にはとても太刀打ちできません。