2007/04/29 (日) 17:27:39 ◆ ▼ ◇ [qwerty]天沢に送ってもらった帰り道、天沢は「将来、バイオリン作りの職人になりたいんだ」と、自分の夢を語ります。
同じ本を読んでいながら、自分とは違い、将来の進路をしっかりと決めている天沢聖司に、雫はコンプレックスを抱きます。
それは、雫が初めて感じた焦燥感でした。
翌日、学校へ行くと、昨日の帰り道で天沢と一緒だったことが早くも級友にバレていて、ちょっとした噂になっていました。
ちなみに、告白以来ギクシャクしていた杉村とも、何とか普通に挨拶できるようになりました。おめでとうございます。
昼休み、雫のクラスに天沢がやってきます。
「月島……いるかな?」
「は、はいっ!」
突然の天沢の訪問に、戸惑う雫。
しかしこの男、今までは唐突に現れるだけだったのに、名前が発覚した途端大胆になりましたね。これも何かの作戦でしょうか。
屋上に呼び出された雫は、天沢に向かって文句を言います。
「あんなに人がたくさんいるところで……」
天沢「ごめん、でも、雫に一番に教えたかったんだ」
あれっ?
さりげなく「雫」って呼び捨てになっていますね。
言葉をたくみにあやつって距離を詰める……さすがは天沢聖司。15歳とは思えない恋テクです。
さて、天沢が何を雫に伝えたかったのかというと、夢であるバイオリン職人になるために、中学を卒業したら修行をしにイタリアへ行く。それが可能になったんだということを教えにきたわけです。
まぁ、そんなことはどうでもいいのです。
なぜならこの後、彼は衝撃の告白をするのですから。
いいですか、耳かっぽじって聞いてくださいよ。
雨が止み、屋上の手すりにもたれかかる雫と天沢。
そして天沢が一言。
「俺……図書カードで、ずっと前から雫に気がついていたんだ」
えっ?
「図書館で、何度もすれ違ったの、知らないだろ」
ええっ?
「隣の席に、座ったこともあるんだぞ。……俺、お前より先に図書カードに名前を書くために、ずいぶん本読んだんだからな」
……。
…………。
………………。
ストーカー!
間違いありません。
ヤツは本物のストーカーです。
……しかし、この時点で既に天沢に惚れていた雫は、ストーカーのさりげないカミングアウトにも気づかず、逆に「すごいね…」と感心する始末。
やはり普通の15歳では、こんなもんなのでしょうか。雫では天才天沢にはとても太刀打ちできません。