2007/05/18 (金) 23:28:31        [qwerty]
「おいおい女将さん! 何してんだよ! 十年間この日のために用意して待ちに待った
 大晦日十時すぎの予約席じゃないか、ご案内だよ! ご案内!」
八百屋に肩をポンと叩かれ、気をとり直した女将は、
「ようこそさぁどうぞお前さん! 二番テーブルかけ三丁! 」
 仏頂面を涙でぬらした主人、
「あいよっ! かけ三丁!」
 期せずしてあがる歓声と拍手、店の外では、先ほどまでちらついていた雪を止み、
新雪に跳ね返った窓明かりが照らしだす「北海亭」と書かれた暖簾を、ほんの一足早く
吹く睦月の風が揺らしていた。

泣いた(*´ДT)