2007/08/04 (土) 16:46:12 ◆ ▼ ◇ [qwerty]身の丈六尺を越える屈強なる快男児どもが六尺褌きりりと締めて次々と海へ飛
び込んでいく。真っ白な飛沫が空に舞い、怒濤の如き白濁が津波となって押し
寄せて、波打ち際に残るのは全身タイツのようなもの。
「ママー、これなにー?」
「兵どもの夢の跡よ」
棒きれでそれを突いて弄ぶ息子に母は、火照る身体を鎮めつつ、冷静を装って
答えるのだった。
シャドーセックスがオナニーと呼ばれたのはもはや遠い過去の話、かつて大地
にその精を漏らして神の怒りを買ったオナンを語源とするオナニーに対して、
秋葉原とらのあなの中古同人誌コーナーで発見された写本――通称・腐海文書
――は新たな解釈をもたらした。腐海文書はいわゆる成人向け神パロ本のひと
つだった。文書はすぐに複製されP2Pを経由して世界各地に散らばり、神学者の
研究対象あるいは自慰ネタとして用いられた。
そんな無数の進学者の一人が射精の瞬間に啓示を受けた。彼が発射した瞬間に
開かれていた頁、それはオナンによる"大地"陵辱の場面であった。
彼は世界に問いかけた。
「オナンは神の創りたもうた大地に対して顔射した角で罰されたのではない
か?」と。
その神学者はキリスト教と東洋思想の融合を目指していた。彼は射精の瞬間、
ついにキリスト教と東洋のBUKKAKEを融合させたのであった。
学会は揺れた。そもそもBUKKAKEとは何なのか? ひとはなぜBUKKAKEるのか?
BUKKAKEは神の愛なのか? BUKKAKEと自慰と射精について無駄に議論が重ねら
れた。そしてただでさえ頭の悪い彼らの中でも飛び抜けて残念な頭脳を持つ人
々からオナンを英雄視するものが現れた。彼らの主張はこうだ。
「オナンは神を愛していた。誰よりも深く愛していたが故に、神の生み出した
大地と子を成そうとしたのである」