学ぶという行為はどこまでも気高く美しい。 知識が蓄えられる日々は金品を貯蓄する喜びに勝り、 今まで太刀打ちできなかった問題を分解しきった瞬間は全知全能になった錯覚を呼び起こす。 歴史という古い出来事には新鮮な驚きが隠され、 解を導く数字の技法は芸術性さえ帯び、 母国語以外の言葉で初めて意思の疎通を果たせばあふれる童心はとどまることがなく、 物理が示す世界のルールは想像もつきないものであり、 校内で学ぶ節度ある集団生活のことわりに絶対的な価値を見いださないわけにはいかず、 一般的な領域を超えて学識を高める行為は称揚を受けるにふさわしく、 学んだ事柄が有機的に結合されより高次の体系的知識へと変じるのはある種の奇跡であり、 そして現状オーラル・コミュニケーションはただリスニング対策にかまけるだけの無価値な屑である。 ・・・そう思っている人間はたまにいる。 「それでは、勉強会をはじめます。」