>  2007/08/18 (土) 10:06:49        [qwerty]
> > 会場で並んでて暇つぶしとか(;´Д`)
> みんな見てばかりだから暇つぶしにならないけどな(;´Д`)

幼い頃の一番鮮明な記憶──…それは決して幸せなものではなかった。
一番古いその記憶は、9年以上たった今でもはっきりと思い出せるくらい、鮮やかに俺の中に残っている。
そしてその思い出は、見えない傷となって俺の中に残り、いつしか人と深く接することを避けるようになっていた。


***─────***────***

夢の中でチャイムの音が鳴り響く。
「ん───…」
布団を頭までかぶり、再び眠りに落ちようとして我に返った。
「あ───…」
半分ボーッとする頭で、枕元の置時計に手を伸ばした。
夢の中で聞いたと思っていたチャイムの音は、どうやら現実のものだったようだ。
「初日から遅刻かよ」
呟き、のろのろとベッドの上に起き上がると、ぼりぼりと頭をかいた。
今更焦ったって仕方がない。チャイムが鳴ってしまったものをどうにかできるわけではないし。
部屋を出て1階のリビングに降り、ダイニングテーブルの上に用意されていた、朝食のサンドウィッチを1つ口の中に放り込んだ。
父が事故で亡くなってから9年。母は看護婦として働きながら、俺達姉弟を女手ひとつで育ててくれている。
朝俺が起きる頃は日勤であろうと夜勤であろうと、ほとんど母は家にいない。
4歳年上の姉も、高校までは電車で1時間かけて通っている為、3年前から俺は朝食を1人でとるようになった。
中学校までは徒歩2分。家から見える距離にあるので、今までなんとか遅刻は免れていたのだが、今日に限って目覚ましをセットするのを忘れていたらしい。
「休み気分引きずってんなぁ…」
俺、樫原 悟(かしはら さとる)。今日から城崎中学校の2年生に進級する。
初日から休むわけにいかないよなぁ…。
面倒くさいと思いながら学生服に腕を通し、起きてから20分が過ぎた頃、ようやく家を出た。
まぶしいくらいの快晴の下、俺はまだ完全に覚めきらないボーッとした頭で、学校への道のりをのんびりと歩く。
のんびり歩いたって3分かからないんだし。
今頃体育館では、新学期の始業式が行われているはずだが、校門をくぐった俺は体育館へは向かわずに、まっすぐに靴箱横の掲示板へと足を向けた。
そこに貼り出されている、新しいクラス分け。
4組の上から数えて3番目に自分の名前を見つけ、他のクラスメイトを確認することなく教室へと移動する。
誰と同じクラスになろうと、感心はなかった。
割り当てられたクラスで1年間を過ごすだけだ。
特に親しい友人はいない。だからと言って、これまでクラスで孤立していたというわけではなかった。
そこそこに連中とはうまくやっていたし、学校での友人は普通にいる方だと思う。

暇つぶしにどうぞ(;´Д`)

参考:2007/08/18(土)10時04分21秒