私は少しだけ歴史を学んだ。 それで知ったんだが、人類の社会には思想の潮流が二つあるんだ。 人の命以上の価値があるという説と、命に勝る物はないという説とだ。 人は戦いを始めるとき、前者を口実にし、やめるときに後者を理由にする。 それを何百年、何千年と続けてきた。 いや、人類全体なんてどうでもいい。私は全体、流した血の量に値する だけの何かをやれるんだろうか。 あ、すまない。変なことを言ったな、気にしないでくれ。