2007/09/16 (日) 21:53:18        [qwerty]
 私が以前属していた毎日新聞社では、取材先からいっさいの金品(金銭だけで
なく、商品も含めて)受け取ってはならないと教育された。そうした姿勢によっ
てフェアネスを確保するというのが、新聞社のスタンスだったわけです。

 その後に転職した出版社のアスキーでは、編集部のほぼ全員がごく当たり前の
ようにメーカーからノベルティのみならず、市販されている商品まで平然と受け
取っているのにはかなり驚かされました。某カメラメーカーが記者発表会で人気
デジカメを出席した記者たちに配ったときには、後からその事実を知った同僚た
ちがわれ先にとメーカーに電話をかけ、「すみません、出席してないんですがも
らえませんか」と問い合わせていたのには、唖然としました。

 雑誌の世界では、純然たる記事とタイアップ記事はきちんと峻別されなければ
ならないというのがかつての常識で、タイアップ記事には「これは広告です」
「広告記事」という注意書きがわかりやすい場所に掲示されていました。ところ
が雑誌のマーケットが縮小し、どこの雑誌も収益低下に四苦八苦するようになっ
た九〇年代後半以降、このルールはなし崩し的に崩壊して、いまや広告と純粋記
事の境界はきわめて曖昧になってしまっています。