> 2007/11/03 (土) 22:25:30 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> 牛乳はなかったからいれなかったよ、クレイジーソルトをいれてかき混ぜたただ
> の卵、もやしオムレツにすべく先にもやしを炒めてフライパンが熱かったのがげい
> いんみたい、オムレツって難しいね童貞の俺には荷が重かった(;´Д`)
卵とフライパン
山岡と栗田は洋食屋で働く上田という若者と知り合う。上田は料理は好きだっ
たが、もう料理人はやめると言う。「料理が好きなら料理人をやめることはな
いだろう。この店が気にいらなければ店を変えればいいんだ」「人に食い物を
作るなんてアホらしい。世の中もっと面白い仕事があるはずさ」上田はポーク
ソテーを作る。「たまねぎとトマト、シイタケと醤油とウイスキーがなんとも
言えぬコクのある味に仕上げられて豚肉の旨味を引き出している。なかなかの
ものだよ」
続いて上田は口笛を吹きながらオムレツを作る。ポークソテーを作ったフライ
パンを水で洗い、卵を箸で混ぜて、あっさり作るが、山岡はこのオムレツは失
格だと言う。「食べてもみないで、どうして失格と言えるの」「このオムレツ
を持ってついてこいよ。ホンモノのオムレツを食わしてやる。この店の卵を
持ってくるのも忘れるな」
山岡は上田をオムレツ専門店に連れて行く。女性シェフの花森はオムレツしか
作れなかった。まず卵をかきまわす花森。(上田君はお箸でかきまぜたけど、
花森さんは泡たて器でかき混ぜている。しかも時間をかけて念入りに)フライ
パンにバターが溶けて泡が立てて広がるところにといた卵を一気にいれて出来
上がりとなる。上田の持ってきた卵と花森の使った卵を比較する山岡
「上田君の持ってきた卵は表面がスベスベしている。花森さんのはザラザラし
ている」上田の卵を割ると、皿の上にだらしなく広がり、白身が水っぽく、黄
身も平べったい。花も料理の卵を割る。「直径10センチくらいにしか拡がら
ず、こんもりしている。白身も二重に盛り上がっているし、黄身は尖って見え
るほどだわ」「この店の卵は新鮮そのもの。上田君の店の卵はかなり古いの
さ。カラザという黄身が卵の殻の中でいつも中心にあるように支えるスプリン
グの役目を果たすものだが、卵が古くなるとこのカラザが弱ってきて割った時
に形をとどめなくなる」
上田のオムレツは焼き方にも問題があった。「上田君の焼き方はムラがある。
それに黄身と白身が充分に混ざり合っていない。一方、花森さんのオムレツは
ふんわり仕上ってしかも中は半熟だ。といって中味が流れ出したりしない」
「問題はこの匂いね。マーガリンを使ったのね。冷めると匂いの差がはっきり
するわ」「問題はバターとマーガリンの差じゃない。別の匂いがある」
「ポークソテーにかけた玉ねぎ、シイタケ、トマト、ショウガ、ニンニクをい
ためたフライパンを使ったな」「でも洗ったよ」「ちょっとやそっとで洗った
くらいじゃダメなのよ。オムレツはほかの物の匂いが移ったら風味が台無しに
なるの」「まともな料理人は卵を焼くフライパンとほかのフライパンを区別し
て、卵以外は絶対焼かないようにするんだよ」結局上田は料理人をやめないで、一流レストランで働く事に。山岡は上田に卵焼き専用のフライパンをプレゼントするのであった。
参考:2007/11/03(土)22時21分18秒