血液銀行に務める青年・水木は社長から、その製品に幽霊の血がまざっていたという怪 事件の調査を命じられた。 水木は自宅の隣の古寺に住まう幽霊の夫婦を探し出すが、その妊娠中の妻が出産するま で会社には秘密にすることを約束させられる(その際、水木は「幽霊」が死者の霊魂では なく、人類出現以前から地球上に住む先住種族で紀元前二万年頃に絶頂期を迎え、その後 は人類に追われて地下生活に入ったことを知らされる)。 数カ月後、水木が隣家を訪ねてみると、そこには腐乱した幽霊夫婦の死体があった。彼 は妻の方の遺体を埋葬するが、それから三日後、墓の中から赤ん坊が自力で這い出してく るのを見る。この子が鬼太郎である。 また、その頃、父親の腐乱死体からも左の目玉が流れ出し、生まれたばかりの鬼太郎を 見守るべく動き始めていた(「幽霊一家」『妖奇伝』